100年前の日本の海女の写真というのがフランスのサイトに上がってまして、撮ったのが岩瀬禎之氏。 「海女の群像」の写真集シリーズのもののようなので、正しくは1931-64年のものです。
千葉の御宿で延々と撮りためた海女の写真たちなのですが、まあ当時はおっぱい丸出しのパンツ一丁、男に至ってはフンドシやらフルチンやら。あっけらかんとした生活の中の健康美、失われたライフスタイル・・・と思いきや、いかにも「肉体美」「ヌード」といった写真もあり、ちぐはぐで見るものを困惑させてくれます。大正時代には既に海女はシャツを着ろと指導があったとありますが、地域によっては観光資源として彼女たちの裸を見せることにも寛容だったようです。素潜りには水の抵抗がないに越したことはないので、彼女たちはいわゆる「磯パンツ」と呼ばれる、立体裁断のピッタリとしたパンツを履いています。要はビキニでトップレス。経緯を想像すると、ははあと思えてくる構成なのです。まあこれが正しいのか分かりませんが。「007は2度死ぬ」(1967)に出てくるボンドガール浜美枝がなぜ海女なのか、ずっと違和感を持っていたんですが、ああ、このトライブ感が根底にあったのかと今更ながら腑に落ちた次第です。