築80年余り、戦前の古民家から新居に移って、何が良かったかって、まず寒くないこと。冬の朝に起きると吐く息が白い、外から帰ってきて数時間は外出着のまま、ということがなくなりました。もちろん灯油代が毎月2.3万かからない、お湯が沸くのが早い、といった金銭的な面もありますが、ある意味、21世紀になっても戦前ライフを送っていたようなもの。丁寧な暮らしとは別のベクトルで映えていたわけですが。
先週、その旧居が取り壊されたと聞きました。
毎年3月に収穫していた夏ミカンの木も、意外と収穫のあった胡桃の木も、高校生の時に植えた玄関脇の藤も、藤棚ごとなくなりました。こうして文字にしても、意外と感慨が湧かずあっさりとしたものです。夏ミカンぐらいは収穫しておけばよかったかな。
2021年2月2日